ヒューゴ・サントス / Hugo Santos (Namespace CEO) · 10:00 「マージにかかる時間が決定的になる、 新しいアーキテクチャが必要や。 PR は無い。 我々は intent と plan から始める」
ロンドンの AI Engineer Europe 2026 Day 2、 Fleming room 12:40 - 1:00pm 枠。 登壇は Hugo Santos (Namespace 共同創業 CEO、 元 Google マイクロサービス担当) と Madison Faulkner (NEA パートナー、 元 Meta AI 研究者)。 NEA は 2026 年 3 月に Namespace の Series A $23M をリードした、 つまり投資家とプロダクト責任者の組合せで「CI/CD は死んだ、 次は continuous compute や」 を宣言する構図。
テーゼ:「人間 1 人 / 週 1-2 PR」 という前提で設計された CI/CD パイプライン (GitHub Actions / 人間レビュー / マージキュー) は、 エージェント時代に文字通り壊れる。 GitHub Activity の急増グラフ (短期間でコミット数とライン数が垂直に跳ね上がる) を提示しながら、 Madison が問題の量的変化を、 Hugo が解決アーキテクチャを語る分業設計。
着眼点
PR はもう存在しない — Intent と Plan から始まる新アーキテクチャ (10:00)
Hugo が描く未来図:「PR は無い (No PRs)」。 出発点は intent と plan、 これがどこかに codify される (Linear ticket、 Slack、 spec、 場所はどこでもいい)。 そこからエージェント・ハーネス (Claude Code、 AMP、 Cursor、 Factory 等) がループに入って、 well-known commit から checkout、 リポジトリの assets を使って build + test で内部検証、 完了したら人間に「continue?」 と聞く。「continue が今最も多く使う単語や」 と Hugo は言う。
ただし、 これでもまだ遅い。 external validation に人間がいるから。 数週間〜数ヶ月のスパンで、 ここから人間が消える方向に進化する。 別のエージェント (security 特化 LLM、 API conformance LLM 等) がレビューを担当、 結果が main harness に戻されて即時修正、 stateful 環境で memory + state を保持しながら世界からの signal (plan 変更、 他コミット競合) を吸収していく。 最終的には pre-merge queue (まだリポジトリには入ってない候補群) で seriablizability を確保、 人間が最後に approve するのは「コードではなく intent と result」 になる。
マルチバース時代の inner loop — エージェントは複数 commit を同時に作業する (15:35)
さらに先、 inner loop が極端に速くなった世界では、 エージェントの作業起点は「リポジトリの最新 commit」 ではなくなる。 candidates が複数あり、 エージェントは multiple commits at the same time で同じ plan を扱う。 これが「マルチバースに踏み込む」 段階。 リソース消費は爆発するが、 各 candidate を並列に探索することで結果として速くなる。
Hugo はここを「performance and efficiency に obsessed や、 不要な仕事はせえへん、 ゼロから始めへん」 と言う。 エージェントは個人ワークステーションで動くエンジニアのように incremental に動く必要がある。 これが Namespace の製品仮説 — 「caching + orchestration + identity + retries の 5 層で、 既存 GitHub Actions の上に被せて加速する」 という戦略の根拠になっている。
Mitchell Hashimoto:「GitHub をクラウド時代向けに作り直せ」 (06:18)
Madison が論拠として引いたのが HashiCorp 創業者 Mitchell Hashimoto の提言。 GitHub を直すなら、 Copilot を捨てる、 クラウド時代に作り直す、 AI / エージェント・ユーザー first で serve する、 inference at scale を有効化する、 friendly code storage を作る — そういう徹底的な再構築が必要、 という主張。 これを「業界のトップエンジニアたちが既に同じ問題意識を持っている」 という社会的証拠として提示した。
Madison は「今からこれを乗り越えない CI/CD ベンダーは死ぬ」 と言い切る。 monolithic agents (LLM を 1 つのエンジンとして使うパターン) から、 microservices with agents (エージェント間の分業ネットワーク) への移行が起きている。 GitHub Activity の急増は既に始まっている。 CI/CD だけがその速度に追いついていない、 という診断。
「あなたはエージェントやった」 — 人間こそが最初のループ (07:21)
Hugo の認識の転換ポイント:「You as a human, you are the agent」。 これまで人間エンジニアが PR を作る時、 stack of mind を持って、 PR フォーマット違反でループバック、 テスト失敗でループバック、 人間レビュアーの「API 違うで」 でループバック、 マージキュー競合でループバック — これら全部、 我々が知らず知らず「人間スケールの slow agent」 として動いてきた。
この洞察があるから、 エージェント版でも同じループ構造が必要 (intent → plan → harness → checkout → validate → review → merge)、 ただし各ステップの latency を桁違いに下げないと、 PR の量に対して merge time が serialize bottleneck になって全部詰まる。 これが Namespace の中核問題意識:「マージにかかる時間が決定的になる時代の高性能化」。
動画の構成
- (00:00) 自己紹介 (Hugo は遅延、 Madison が先行) — NEA / Namespace
- (01:22) なぜ agentic ソフトウェアは traditional CI/CD を壊すのか
- (01:53) Monolithic agents → Microservices with agents
- (02:23) CI/CD が「死んだ」 と言う根拠
- (02:57) PR 当たり PR は人間スケール vs エージェントスケールの違い
- (03:48) GitHub Activity 急増グラフの提示
- (04:30) 解決の起点 = inner loop の acceleration
- (05:18) Cache + Orchestration の 5 層構造
- (06:18) Mitchell Hashimoto「GitHub を作り直せ」 引用
- (07:21) 「あなたはエージェントやった」 — 人間こそが最初のループ
- (10:00) 新アーキテクチャ — PR は無い、 intent + plan + harness
- (12:00) Inner loop の高速化 — 内部検証は build + test までインライン
- (13:36) External validation — 他のエージェントがレビュー
- (15:35) マルチバース — エージェントが複数 commit を同時作業
- (16:50) CI は死なない、 ただシフトする
- (17:58) Namespace の問題意識まとめ